酵素のお話その2
酵素のお話の続きです。
私は30歳を過ぎた頃に白髪が出始めました。ショックだったのでその時のことは
よく覚えています。
色素をつくるところが休止してしまい黒髪でなくなるのは知っていましたが、
これも酵素が原因とは知りませんでした。
その酵素の名前は「チロシナーゼ」
メラニン色素を髪に固着させるはたらきをしていますが、年齢を重ねると真っ先に活性されなくなり他のもっと命にかかわる重要な部分の仕事にまわされるようです。
それから私の知人にお酒がぜんぜん飲めない人がいます。気の毒に麻酔も駄目で、
以前何かの手術の際に麻酔なしでやらなくてはならず地獄の苦しみを味わったと
言ってました。私は普通で良かったと思いました。
お酒の毒は「アセトアルデヒド」それを酢酸に分解する酵素は
「アセトアルデヒド脱水酵素」です。人はこの酵素を2タイプ体内に持っています。
1つはアセトアルデヒドを分解できるタイプ、もう1つは分解できないタイプ。
分解できるタイプを2つ持つ人はお酒に強く、できるのとできないのを1つずつ持つ
人は普通で、できないタイプを2つの人はお酒は飲めません、と分かれるようです。
日本人全体としては酒毒を分解する酵素はあまり持ち合わせていない民族ということになるようです。
それではそもそも酵素とは何者なのでしょうか?
「酵素=エンザイム」とはギリシア語で「酵母の中にあるもの」という意味で
「酵母」とは糖類を発酵させてアルコールをつくる微生物のことです。
酵素はタンパク質に覆われた生命物質です。
その大部分を占めるのは補酵素=コエンザイム(ビタミン・コエンザイムQ10)
とミネラルを結合した「ホロ酵素」です。ビタミンやミネラルなしでは活性化しませんので、ここにその必要性が出てくるのですね。
酵素は体内で毎日つくられていますがトータルでは一生に一定量しかつくられません。その生産能力には個体差があり、それはDNAと深い関わりがあるようです。
現在分かっている酵素の種類は、約2万種類でその中でもタンパク質分解酵素
(プロテアーゼ酵素)だけで9000種以上あります。
アミノ酸の種類・割合・配列の違いにより体内にさまざまなタンパク質がつくられ
私たちのからだを構成していくのです。他にもホルモンなどになり生命を維持して
います。
酵素には活性の中心とよばれる「穴」がありこれが他のタンパク質との違いですが、
この穴に他の物質を捉えて分解や合成などの化学反応を起こさせる不思議な力が
あります。
このはたらきが触媒作用です。
酵素の穴はすべて形が異なり、その形にはまる基質(酵素によって触媒される物質のこと)を捉えて触媒の仕事をします。
酵素の製造能力は20歳をピークに少しずつ減っていきます。40歳を超えると急激に
減少していきます。
以前書きました毛細血管の本数が40歳で半減する話と連動していると推察します。
年をとると疲れがとれなくなるのは、代謝酵素が十分にはたらいてくれなくなるからな
のですね。
体内酵素をつくり出すためには、酵素の豊かな食事を摂り腸内環境を整え善玉腸内細菌を増やすことです!
発酵食品である梅干しは酵素を活性化するのに大きな力となる食べ物です。
今日も2つぶ是非お召し上がりください。
酵素の話その1
最近酵素の本を読んで食生活を少し変えましたら、体重が5キロ減りました。
たぶんお菓子を食べるのを超控えたからだと思います。
その本によりますと人間のからだは午前4時から正午までは「排泄」の時間
(寝ている間の汗も排泄の一つ)正午から午後8時までは「栄養補給と消化」の時間
午後8時から翌朝4時までは「吸収と代謝」の時間に分けられます。
私は子供の時から朝ごはんをしっかり摂ることを好しとするのが常識のように思っていましたが、起床から3時間くらいは内臓がまだ眠りから覚めていない状態で、そんな時にご馳走が大量に入って来ると「消化不良」になるので、朝食は果物とか野菜や果物のジュースとか生の食品を軽く摂る方が自然の法則にかなっているようです。
それから一日の食事全体を考えると生の食べ物を6、火を使って調理したものを4の
割合で食べるのが良いようです。
酵素は熱に弱いので火を使った料理では無くなってしまうのです。
生の食材には酵素が含まれているので、からだの中にある酵素を使わずに自分の力で
消化できて、酵素を減らすことがないのです。
100兆個の人間の細胞は1個当たり100万回の異なった化学反応を行っています。
酵素の役割は、このからだのいたるところで連続して起こっている化学反応を
「仲立ち」する「触媒」です。人間を「家」に例えると三大栄養素は家の資材で
酵素は資材の解体や組み合わせを行う大工さんです。
健康寿命を延ばすためには、からだの中に存在する酵素(潜在酵素)を減らさない
ことがたいへん重要であるようです。
潜在酵素は代謝酵素(からだをつくり病気を治し人間の全ての生命活動に必要な
酵素)と消化酵素(消化器官内で分泌される酵素で、口にした食べ物を消化する)
の2つのはたらきに分かれていますが、大食をすると代謝酵素は消化酵素の助っ人としてはたらくことになり、からだのメンテナンスの仕事が疎かになり病気にかかりやすく
なります。
医学の素「ヒポクラテス」は「火食(加熱食)は過食に通ず」と言ってます。
現在の食事をちょっと見直してみませんか!
次回も酵素のお話の続きをします。また読んでくださいね!
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毛細血管と血液
梅には血液がさらさらになる成分があるというのはもうご存知かもしれませんが、
血液が流れる場所である血管というと動脈とか静脈とか主となる太い血管をイメージしませんか?
ところがその93~95%が毛細血管なのです。
からだ中の血管をつなぎ合わせた総延長は10万Km(地球の2周半)にも及びこの
毛細血管が細胞の代謝を支えているのです。
毛細血管の血流を「微小循環」といい人間の健康に大きな意味を持ちます。
以前大阪大学の研究で40歳を過ぎると毛細血管の本数がいっきに半分に減るということを発表されていました。
私自身、顔を鏡に映して「老い」を感じ愕然としたのは41歳の時でした。
血液の役割は酸素や栄養素の「運搬」体液の酸性・アルカリ性やホルモンや体温などを一定にする「緩衝」病原体や異物からからだを守る「防御」です。
その血液を運ぶ器官である「血管」があるときを境として半分になってしまうなんて!
辛い話しですよ。それは見掛けも変わりますよ。
それにもともと毛細血管の大きさは5㎛(マイクロメートル)それに対して赤血球の直径は8㎛(1㎛は1000分の1㎜)で毛細血管より赤血球のサイズの方が大きいのです。
そこで登場するのが「梅=クエン酸」であり「EPA」なんです。
EPA(エイコサペンタンサン)はイワシ・サバ・サンマなどに含まれ血液中のコレステロールや血栓などを排除するはたらきがあるもので、クエン酸塩やEPAを多く含んだ血液は赤血球の形を柔軟に変えることができて赤血球の巾より狭い毛細血管に楽に通ることができるようになるのです。
今夜のお惣菜に梅干しを入れて料理したイワシの煮付けはいかがですか!
毛細血管が失われることを防ぐ決定的な手立ては今のところ発表されてないように
思いますが、せめて今からだに存在する血管には血液がすみずみまでさらさらと流れてくれますように願うばかりです。
血流改善のためにも皆様の食生活に梅を取り入れてくださいますように
お願い申し上げます。
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一番重要な梅の効用
長い間 私は梅がもたらす一番の効用は「殺菌力」だと思っていました。
それは以前お話ししました喉の痛みが瞬時に消えたところから来るものでした。
しかし梅に関する本を読むうちに梅にはそれよりもっと大きな働きがあることを
知りました。
それは人間が生きていくためのエネルギーをつくる仕事に深く関わっていることです。これは「クエン酸サイクル」とか「ATP回路」と呼ばれるもので、クレブス博士とリップマン博士が発表されて1953年(昭和28年)にノーベル賞を授与されました。
体内でエネルギーをつくるもとになるものは、人間の細胞100兆個(最近までは60兆個といわれていましたが)の中にある「ミトコンドリア」という器官で行われます。
その大きさは1ミクロン以下で一つの細胞の中に数百から数千個も存在しています。
100兆個×数百・数千という膨大な数のエネルギー生産所を人間一人一人の体内に備えていることになりますね。
クエン酸サイクルという名称通り、口から入った食べ物は消化されいくつかの工程を経てクエン酸を中心とする8種類の酸に変化しながらくるくると回り続けて、その量が
次第に減りその分だけエネルギーを出せる物質と、呼気(吐き出す息)と水(尿と汗)
になります。
クエン酸サイクルの回るスピードは1秒間に2~3回といわれていますが、この速度が落ちると疲労物質の乳酸などが取り込まれなくなり肩こりとか体調が悪くなる大きな原因になります。
梅肉エキスや梅干しを食べることによりクエン酸を体内に入れることは、クエン酸サイクルを活発にしてエネルギーの代謝を円滑にします。疲労物質の乳酸を取り込んでくれるので疲れにくいからだづくりの大きな味方となります。
それからクエン酸サイクルには呼吸で得た酸素が使われますが、その燃えかすのようなものが「スーパーオキシド」という活性酸素になって細胞を侵し酸化するのがいわば
「老化」であり様々な病気の原因となります。
三重大学の実験によりこの活性酸素を梅肉エキスで消去できることが分かり梅肉エキスの抗酸化作用が実証されました。
梅丸のご愛飲者から「からだの芯がシャンとした」という嬉しい感想をいただいております。 どうか皆さま、梅丸・梅エキスを毎日続けてお召し上がりくださいませ。
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健康寿命を延ばそう
家の犬は今年の6月で満15才になりました。
耳は遠くなりましたが目も鼻も足も達者です。犬の年齢はいろいろな数え方があるのかも知れませんが、からだの大きさが小型犬と中型犬の間と言うところなので、だいたい
人間の年とすると80才ぐらいだと思います。
生まれて1か月半ぐらいの時に(獣医さんが歯から推定)子供が図書館の駐車場で拾って来ました。一緒に付き添ってきたご近所のお子さんが「この子はマイケルよ!」と
命名してくださったので、幼い純真な心から出たツルの一声に敬意を表して名前が
「マイケル」に決定して今日に至っております。
マイケルはたいへんな散歩好きで大雨でも雷が鳴っても散歩は絶対に行かなくてはなりません。行かないと吠え続けますので、そんな日はしんどいのですが行くことにしています。朝は主人が約1時間、そして夕方は私が約1時間、行先は犬の心の赴くままに
一緒に歩きます。
主人はいつも「もしマイケルがいなくなったら私は散歩に行かなくなる」と言います。
想像しただけでも私もそう思います。
ところでこの頃は若い世代に比べ高齢者の数が増えたことをよくいわれますが、商売的にも高齢者にターゲットがしぼられてコマーシャルをみていると痛切にそれを感じます。テレビ番組でも健康維持に関する情報を提供するものがあふれ、毎日のようにどこかの局でやってますよね。番組によっては真逆の話もあり、視聴者としてはどちらを信じるのか戸惑う処です。
最近私が注目したのは、県別ランキングで「健康寿命と本の購読」の1位がいずれも山梨県なのに「週1回以上の運動・スポーツ実施率」最下位が山梨県だったことです。この結果が何を意味するのかを私なりに考えてみました。
それはからだに与える影響として運動する事よりも頭脳を刺激することの方が
大きいということです。特別な場合を除いて、人が行動を起こす時は頭からの指令によるものですから、本を読み頭脳に刺激を与えることが、頭脳からからだ全身に
良い伝達を与え細胞を活性化して、病気になるのを防ぐ良策となるということだと
思います。
ただただ長生きすることを目標と掲げるのではなく、健康で自分の事は自分で管理できて、出来れば他人の役に立つ側に自分を持っていくことが私のこれからの願いです。
散歩に行かなくなってしまった時には今よりもっと本を読むことにします。
そして同じ目標を持つ方に、病気にならないように(予防医学)暮らすことの最も
重要な食材の一つとして梅がお役に立てますように祈っております。
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貧血と梅
一昨日テレビでヘモグロビンに関する番組を視ました。
それで今日は貧血と梅の話を書きます。
私は子供のころマラソンをするとしょっちゅう貧血を起こしました。
貧血と聞くとなにか血液の総量が少ないように思われる方も多いでしょうが、
そうではなくて血液中のヘモグロビンが少なくなる状態のことです。
ヘモグロビンは酸素を運ぶ仕事をしているのでこれが不足すると、からだに
いろいろ不調が起こってきます。
だるい、疲れやすい、息切れ、めまい・・・など。テレビでも言ってましたが、
顔色が青白くなるのも貧血の人の特徴です。
その原因の大部分は鉄欠乏性貧血で鉄分不足という栄養的な欠陥によって起こるものです。若い女性にも貧血が多くみられるのはダイエットのための減食や栄養の偏った食生活によるところが多いようです。
鉄分の多い食べ物はレバー・赤身の魚・肉・ほうれん草・小松菜などですが、
それに加えて調理器具を鉄製のもので料理するのがとても有効なのです。
鉄鍋とか鉄製のフライパンとか、鉄瓶(お湯を沸かす鉄のやかん)とか昔はよく使われていたであろう品が今はステンレスとかアルミとか焦げないようにフッソ加工してある品物とかに変わっていますよね。
日本人はこの鉄製調理器具から少量溶け出す鉄分を食物と一緒に食べて、
からだに取り込んで鉄を補ってきた歴史があるようです。
さてせっかく口から鉄分を取り込んでもその約10分の1しか吸収されません。
吸収率を良くするにはクエン酸やコハク酸やビタミンCなど他の栄養素が必要です。
梅肉エキスはそれ自体に鉄分が含まれているだけでなく豊富なクエン酸が鉄分の
吸収率を高めます。
胃や腸のはたらきがにぶっていると、せっかく食べた鉄分も吸収されにくいのですが、
梅肉エキスは胃酸の分泌を促し鉄を吸収しやすくします。また便秘も栄養素の吸収を妨げるもとですが、腸のぜん動運動を活発にして便秘を解消することでも梅肉エキスは
貧血予防に役立ちます。
梅肉エキスとバランスの良い食事でヘモグロビンが増えますように願っています。
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アミグダリン
梅干しの商いをはじめてから30年余りになります。
和歌山県にあるみなべ川村には梅干し屋さんの老舗がたくさんあって、経営者の方に
最初いろいろご指導を仰ぎました。
その時点で、うす塩の梅干が誕生したのはここ10年の事とおっしゃっていましたので
今から40年余り前と言う事になります。それまで梅干しが苦手だった人たちもマイルドな味に会い梅干しのイメージが変わって、梅の商売はいっきに10倍くらい売り上げが上がったそうです。
梅干し嫌いの人々も召し上がっていただけるようになったことは、たいへんな功績だと思います。
うす塩梅の場合は、塩漬けして干し上げた梅干しを水洗いして塩抜きをした後その店の味のだしに再び漬けて仕上げるのが普通の作り方です。
現状では大方のお客様がうす塩梅干しを選ばれます。
昔風の塩だけで漬けたものを好まれるのは本当の梅干し好きの方です。
うす塩梅のちょっと残念なところは先程の製法の途中で、梅に含まれるクエン酸を代表とする有機酸が外へ流出して少なくなることです。
有機酸を留めたままお客様に満足頂ける味を実現する製造方法を研究していかなくてはならないと思っています。
うす塩梅の場合は時が経つとすっぱい元の味に戻って行きますので、賞味期限は6か月にしています。
塩だけで漬けた白干梅は塩が保存剤となってもっと長く持ちますが、漬ける時の塩の量が多すぎると2年目でも塩が結晶になって梅肉の中へ入り込みうまくいきません。
まさに「塩梅 (あんばい)」が良くないと駄目な例ですね。
上手く漬けられた梅干しでも3年物が最高の食べ時といわれています。3年以上経つと
からだに良い成分が自然と外へ出てしまうので、それ以上は放置しないでお召し上がりくださいませ。
ところで青梅には毒があるので、青梅を食べるとお腹が痛くなるというのをご存知の方も多いと思います。それは青梅の時には「エムルシン」という酵素があって
そのはたらきによって「青酸」という毒が独立して存在するからです。
梅の実が熟すると酵素エムルシンのはたらきが無くなり(エムルシンは40度C以上の
加熱でも効力は無くなります)青酸は実の中に在る「糖」と結びついて
「シアン配糖体」となりこれは「アミグダリン」と呼ばれます。
アミグダリンは梅の実の他にもあんず・びわ・桃などバラ科の植物の果実にも含まれます。メキシコやアメリカの一部ではアミグダリンを制ガン剤として用いている病院もあるようです。
単独では青酸という「毒」であるものが糖と結びついて「薬」に変わるとは!
梅の実は神秘的だと思われませんか。
あなたの食卓にもぜひ梅干しを常備してくださいね。